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ことばの変化 貞観政要 全訳 [まえがきからの啓発]

”『貞観政要』全10巻40篇は、唐王朝(西暦618〜907)の第二代皇帝太宗の言葉と、太宗が臣下と話し合った議論とを書き綴った書物である。会話だけでなく、太宗の詔勅と臣下の上奏文も多数含まれる。”
呉兢 石見清裕訳注 貞観政要 全訳注 講談社学術文庫 2021 はしがきより

さあ、困った。引用したら面白いかもという文章が多すぎて、導入部しか書き出せなかった。
考えてみれば、自分が会社組織にいて、この書の皇帝に相当する社長に対して、どのような業務を担っていたか。これを見直してみて、貞観政要の中のどの項目に該当することをしているだろうかと考えた。

やったことはといえば、御注進はもとより、各案件の決裁を仰ぐやら、始末書・顛末書の提出というのでは、役務にはほど遠い。普通に話し合いました、でも、面白みもない。依頼とか、指示を受けたことを遂行しましたというのも、新鮮さもない。
この程度では、この種の項目が、この書のどの項目に当たるかという議論にも及ばない。

上記の「社長のことばと、社長が役員・従業員と話し合った議論とを書き綴った」ということばをヒントにすると、社長個人案件の話は別として、社長が会社に入る前からの準備と帰った後の業務手順や出張、面会、接待なども含めた内容を、100ページ以上にわたって書き出し、役員・従業員が何をどうするのか、その業務結果をどのような形で残し、そして、報告・相談・連絡し、決裁を仰ぎ、それをどう記録するのかを文書としてまとめた。この書類は、貞観政要にあるように、皇帝には見せず、その業務を担う上長に引き継ぎ、手抜かりなく、成果とする手順書(マニュアル)としてまとめたことが、役務の一つだっただろうか。

この役割と似ているのが、「巻七 文史 第二十八」の中の「起居官」(562ページ)や「礼楽 第二十九」の「尚書」(580ページ)になるかな。
言い換えれば、皇帝のすることを良くても悪くても、行住坐臥一切を書くという点と、事柄を記録として文書化した担当者というところだっただろうか。

少し書けば、春夏秋冬、居室から出入りする廊下の温度湿度、照度の管理もさることながら、朝昼夕間食飲み物の一切、決裁案件の準備とその資料及びその指示事項とその記録、会食接待にあっては、その内容、時間配分、出席者、その後の礼状の書式とその内容に至るまでを事細かに記録している。それが次回以降の凡例になったりする。会社業務に至っては、人も含めて祭礼のお飾りや供物の種類と配置まで全て図面入り、写真入りで記録し、年中行事の遂行には困らないようにした。
最近、将棋の対局場の画像や記事が流れるようになって、同じようで、当たり前のことと思う。

本当?と言われそうだが、これが後任担当には程よくありがたいものである。
なぜなら、雑事を考えなくていい。課題となる案件に集中できるから。
会社組織じゃなくても、官庁でも残されている指示書と同じになるかもしれない。中国なら尚更かも。しかし、それを持ち歩くことはしない。門外不出として扱うのは普通のことかも。
貞観政要には、そうしたことも記載されているから、ワクワクドキドキしてしまう。
ある方が曰く、ここは北朝鮮と同じだ。気を抜くな、と。
生き死に、がかかっているからだろう。

「貞観政要」をビジネスキャリアパーソンとして、活躍するための指南書として受け止めるだけでなく、全訳をあえて見るのも、歴史というものを感じさせるし、組織を構成する小さな部署や隠れた業務にも目が行き届く参考書になるのかもしれない。

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